3研究室のあゆみ
6月29日斉藤辰恵さん逝去
JA虹のホール はた(松本市波田1909-1:0263-92-3414)
気付斉藤民雄様
斉藤辰恵様の訃報に接し、驚き悲しんでいます。
昨夏、耳元に口を寄せながら二時間、三時間もお話ししました。それが最後になりまし
た。
思い起こせば、鈴蘭小屋の福島清喜さんから大野川・番所・乗鞍に一番詳しい方として、
辰恵さんをご紹介いただき、中道をたずねました。奥様のつやさんもお元気でした。10
年以上も前になりますか。辰恵さんからお聞きしたお話はとても興味深いものでした。山
の生活の知恵が詰め込まれていました。詳しく詳しく山の地名が聞けました。ていら(平)
の名前、切畑(焼き畑)の名前、沢の名前、そしてそれにまつわるしごとの数々やエピソ
ードを教えていただきました。前川流域から白骨・湯川流域まで。
それからいくどもお話を聞きに行きました。何時のバスであがるからと連絡すると、ね
じりはちまきでおうちの前で待っていてくださいました。本当にうれしかったです。いつ
も時間があっという間に過ぎました。
辰恵さんは、何かあったときは服部先生には知らせるよう、いっておく、といわれまし
た。そんな記憶があります。でもそんな知らせだけはこないことを願っていました。
その当時こそ、周りからは貧しい山の村のように思われていたかもしれないが、豊富な
山の幸とそれを生かす知恵に恵まれて、心豊かにすばらしい人生を送られた斉藤辰恵さん
の生き方を、心より祝福します。わたしは辰恵さんに出会えたことがしあわせで誇りです。
そしていま乗鞍の知性・知識を失ったことを痛感します。さびしく思います。
ご冥福をお祈りいたします。辰恵おじいちゃん、ありがとうございました。さようなら。
安らかにおやすみください。
=平成23(2011)年度
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