訂正 白石町岡崎地区
参考:前回神辺分調査は土井静馬氏作製地図に依っている。
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以下の渡邊調査をふまえて、前回レポートを再点検したが、話者東島忠太氏は神辺のかたであり、これを岡崎
としたのは前回報告者の誤りである。また坪名の位置も東島氏の発言とは異なっているようである。
地名一覧で岡崎については2グループが訪問したことになっているが、実際には1グループが1回であった。
渡邊 太祐の03.6.28調査によって、以下のように訂正したい。
条里制に関する地名について
白石町岡崎、神辺は隣り合った集落である。この両集落には、条里制のなごりとして坪地名がみられる。
岡崎地区の坪地名は右上から始まる。それに対して、神辺地区のそれは左上から始まる。前回の調査を基
に地名を落とした地図を見ると、両地区の坪地名は左右対称に広がっていることがわかる。
これは、確かなことなのだろうか?これらの地名をもう一度確かめてみることが今回の調査の主な目的だった。
<岡崎地区>
今回の調査では先に岡崎地区を訪れた。
ここでは、堤博さんのお宅を訪ねた。
堤さんは、地図に落とされている坪地名のほとんどをご存
じないとのことだった。
堤さんご自身が覚えていらっしゃる坪地名は、地図に記載されたものとは異
なっていた。堤さんより教えていただいた坪地名は、
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地図上「二十八の坪」の北、「二十二の坪」の北西のあたりを一ノ坪
とよんでいた。
「二十八の坪」の西隣をサノ坪とよんでいた。
岡崎地区「五の坪」、「六の坪」の南をクラノ坪とよんでいた。
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となっている。
<神辺地区>
それから、神辺のほうへ行った。
お話を伺った方は、町会議員をなさっている方だった。数年前にも学生が来
たとおっしゃっていた(服部注記、東島忠太氏であろう)。ここで坪地名に関して伺ったお話を記すと、
二の坪はあまり言わない。
サノ坪は家のことだという。(家をも含めてということだろうか)
四の坪と田をよんでいたかどうかわからない。
ジュッサは林さんが作っていた。
二十六はあまり言わなかった。
二十二、二十八などジュッサから三十三まで(二十六は除く)は大体
あっているとのことだった。
岡崎、神辺の境に、二の坪、三の坪などが隣り合っているが、これは並んで二
つあるのではなく、一緒のものではないか、とおっしゃっていた。
となっている。
今回の両地区の地名調査から推測されることを以下にまとめると、
1、地図におとされている岡崎地区の坪地名は不正確である。
今回堤さん、八十歳を超えるおばあさんと一緒にこの地図の地名を確認
した。その際お二方のご記憶にあるふつうのの地名とその位置は、地図上のものと合致するのに反し、お二
方の記憶にある岡崎・坪地名と地図上のそれが全く一致しない。(西の筋、東の筋など坪地名でない
地名はあっていることが確
かめられた)
2、神辺では、前回の調査と同じ方からの聞き取りとなった。それを考慮にいれても、神辺は地名のつい
た田を作っている方の名前や、地名のついている場所を具体的に表現されているように感じた。
3、以上から、図版、岡崎地区の坪地名は不正確で誤りである。
神辺地区の坪地名のほうは正確である。
今回岡崎での聞き取りで出てきた坪地名は、神辺の坪地名の並びかたとも一致している。
岡崎地区の坪地名も、左上から始まるのではないかと思われる。
○ 解説編 31p左下から3L〜31p右、上から5行
○ 誤
第三は村毎に、条里の坪並がバラバラであること。卓越しているのは上記の通り、北
西から南行し北東に到る千鳥型だが、北東から北西に到る千鳥型、即ち卓越型を左右
逆にしたものも岡崎、久治などにある。卓越型を取る神辺は、その逆対称型をとる岡
崎と隣接しており、ために一の坪から四の坪まで、隣接してそれぞれの村の分の同じ
坪名が二列に並ぶようだ。地形に合わせて適宜坪名を配置したような村も、湯崎、小
島(おしま)、多田など少なからずある。各村の独自性を感じるが、小城郡で見たよう
な多様な明治小字のあり方に似るともいえる。
○ 訂正後
第三は村毎に、条里の坪並がバラバラであること。卓越しているのは上記の通り、北
西から南行し北東に到る千鳥型だが、北東から北西に到る千鳥型、即ち卓越型を左右逆
にしたものも久治にある。地形に合わせて適宜坪名を配置したような村も、湯崎、小島
(おしま)、多田など少なからずある。各村の独自性を感じるが、小城郡で見たような
多様な明治小字のあり方に似るともいえる。
○ 図版6,JB29
岡崎の坪地名は削除する。
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